2014/03/13

国際列車 ウルムチ-アルマトイ 2013MEMO PART6

●ひたすら荒野を走る列車。風景は想像していたよりも単調だった。ところどころに村や家が点在するが、街のような場所はほとんどない。大きい湖がいくつかあり、蜃気楼のようなものも見える。一番、印象的だったのは河で水浴びをしていた若い女性の姿だ。馬を傍らに留め置き、下着姿で水浴びをしている。なんとものどかな光景だ。

●列車は2時間おきぐらいに駅に停車する。国際列車の車両には、ローカル線の乗客が入って来られないようになっているのでわからないが、地元の人が利用しているようだ。駅に停まるたび、我々も気分転換にホームに出る。ホームには物売りがおり、軽食やスナック、飲み物を売っている。干し魚など特産品を売るおばちゃんもいる。ここで試しにピロシキを購入。値段は忘れたがたぶん30~40円くらいだったか。残念ながら中身は肉ではなく、ポテトだった。野菜のピロシキだったらしい。

●夜になるとさすがにお腹が空いてくる。さっきのピロシキと、日本から持ってきたミニカップラーメンはすでに食べてしまった。チョコ菓子くらいしかない。そしてウイグルで買った缶ビールもなくなってしまった。駅のホームの物売りも酒は扱っておらず、ドスティック駅にも酒がなかった。実は、中国人乗務員が密かに車内で缶ビールを売っているのだが(笑)、我々がほしいと言ったときにはすでに完売御礼だった。彼らはいくらで売っていたか知らないが、いいバイトになっているのだろう。24缶ケースの空箱が1つあったので、何十本かは売り、残りはみんなで飲んだのかもしれない。もこのあたりの辺境のゆるさはけっこう好きだ。

●昼寝したり、ぼーっと景色を眺めているうちに夜になる。列車の窓ガラスもあまりキレイではないので、夜空の星も見えない。暗闇の中を列車は走り続けるが、景色が見えないので何もすることがなくなる。うとうと眠くなったので就寝。現地時間で夜の11時くらいだった。

●比較的大きめの駅に停車して目が覚める。ここは終点よりひとつ前の、工業地帯にある駅のようだ。まだ外は暗い。ここで他の乗客たちも起きだし、車内はせわしなくなる。ここで乗務員がコンパートメントを開けてきて、「あと1時間くらいで到着するから」とシーツと毛布、まくらの回収をはじめた。眠気まなこで掛け布団とまくらのシーツをひっぺがし、乗務員に渡す。そして駅を出発し、45分くらい走ったところでついに終点・アルマトイ駅に到着。道中、お世話になったタルハンさんの家族に、日本から持ってきた、未開封の黒蜜味のキットカットを一箱プレゼントし、携帯番号を教えてもらって別れた。

●暗い駅舎を抜けて駅前のタクシー乗り場に。早朝なのでタクシーはない。仕方なく白タクの客引きと交渉。1000テンゲでホテルへ。

国際列車 ウルムチ-アルマトイ 2013MEMO PART4

●ドスティック駅に降り立つ。日差しが強いが、乾燥していて心地いい。ここでウルムチ駅乗車時から目をつけていた子連れのカザフ人一家に話しかける。彼はコンパートメントで唯一、車掌と北京語でやりとりしており、それを聞き逃さなかったからだ。カタコト同士の北京語で停車時間が約2時間あるということを知り、カザフ人一家と一緒に飯でも食おうかという話になった。カザフ人はタルハンさんといい、貿易商とのこと。

●駅の中にも数軒、食堂らしきものがあったが、導かれるまま駅を出てすぐのところにある近くの食堂に入った。何の変哲もない食堂だが、清潔で平和な雰囲気が漂っている。中国の殺伐とした感じ(笑)はなく、アジアからヨーロッパに来た感覚になる。ここで羊と牛肉のラグマン、ペリメニ(餃子)のスープを頼む(正確にはタルハンさんに頼んでもらう)。味はもう最高にうまく、綺麗に平らげてしまった。しかもタルハンさんにごちそうになった。人民元しか持ってなかったので、「あとで返すよ」と言ったが聞き入れず、「客人にご馳走するのが当然」という顔だったので、素直にご馳走になることにした。

●食後、みんなで駅に戻る。この街は、道路も舗装されておらず、ロシア製の古い車が時折走るくらいの寂れた町だった。駅舎には売店が3〜4店舗あった。車内で飲むお酒を調達しようと、すべての店に入ったがどうやら酒はないようだ。法律で売れないのだろうか。売店で人民元を見せると、おばちゃんは電卓を取り出し、レートを表示した。提示されたレートはたぶんあんまりよくないのだろうが、テンゲ(カザフの通貨)がないのも心許ないので、3000円分ほど両替しておいた。

●駅でまた30分以上待っただろうか。ようやく台車交換が終わった列車がホームに入ってきた。車掌たちは相変わらず、中国人のままだ。土曜深夜初は中国車両による運行なので、終点まで彼らが面倒をみる。この時点で北京時間14時30分くらいだったと思う。カザフ時間では12時30分だ。こうしてドスティック駅を出発。出発直後、線路にはおびただしい両の台車があった。貨物車などもここで全部、台車を変えるのだろう。クレーンで一台、一台、変えていくのか? 想像するだけで大変な作業である。

●出入国審査を終えたのでコンパートメントはもう閉めっぱなしでいい。満腹になった私たちは部屋着に着替えて、リラックスムードでのんびりと車窓の風景を楽しんだ。

国際列車 ウルムチ-アルマトイ 2013MEMO PART3

●2時間も出国審査にかかり、ようやく阿拉山口駅を出る。武警が敬礼する中、列車は発車する。ホームを出るとき、かすかに中国共産党の革命歌「運動員進行曲」が聞こえた。この瞬間だけ、何十年も前にタイムスリップしたような感覚になる。車窓からは各種施設、監視塔、鉄条網が見え、国境地帯独特の緊張感が感じられた。15分ほど走り、ついいカザフスタン側の入国審査ポイントに到着。ここはいわゆるドスティック駅(ドルジバ駅)ではなく、ホームはあるが、純粋に入国審査用の停車地点といった感じ。

●ここも水色、茶色、迷彩、スーツなど色とりどりの制服を来た人たちが乗り込んでくる。軍や国境警備隊、税関職員、それぞれ役割分担があるのだろう。まず係官にパスポートを取られる(そのままカバンに入れてどっか行った)。30分ほどボケーとしてたら、次に税関職員がやってくる。ロシア語でズドラストビーチェと挨拶されたので、こちらもロシア語で返すと、続けて意味不明のロシア語を色々話しかけられたので、「We Can’t speak Russian」と言う。「Anything to declare?」と英語で聞かれ、「No」と言うと笑顔でそのまま立ち去っていった。しかし、30分くらい経ってまた別の税関職員が来て、スーツケースを開けろと言われる。開けたらロクに調べもせず「OK」。中国に比べて、全然ゆるかった。



●こうして約1時間が経ち、パスポートが返却される。入国カードは名前やパスポート番号が勝手に記入されていた。しかしスタンプはやはり一個だけしか押されておらず、空港入国時に登録完了する外国人登録は行なわれていない状態。まぁ今回カザフスタン滞在は4日間なので、不要だが、5日間以上滞在する予定なら、別途、オヴィール(移民警察局)で登録しないといけないので要注意。ともあれ停車中の車窓から、兵士の小隊の行進や、ソ連風軍服を来た太ったおばさん、ミニスカ姿の私服美人係官(スパイ風)など眺めている間に、列車は発車した。



●そして走ること約5分。ようやくドスティック駅に到着。ここでウルムチ乗車以来、やっと下車できるのだ。ここでは約2時間、自由の身となる。中国鉄道とカザフ鉄道は線路幅が違うため、この駅で台車交換するからだ。クレーンで持ち上げて交換するので、時間がかかるというわけだ。

国際列車 ウルムチ-アルマトイ 2013MEMO PART2




●ガタンゴトン揺られること8時間、北京時間8時すぎに目が覚めた。コンパートメントの外がざわつき始めたからだ。扉を開けたら、車掌が「そろそろ出国審査だ」とか言う。出国からカザフ入国、そしてドスティック駅での台車交換までトイレは締め切られると聞いていたので、急いでトイレへ。しかし、運悪くすでにトイレは閉鎖されていた。

●ほどなく阿拉山口駅に到着。ここでは下車できない。車掌は駅で暖かい饅頭を調達して車内に戻ってきた。ほどなくして炒めものをする音がして、ニンニクの匂いが充満。車掌たちは自炊しているのだ。お前らだけ暖かいもの食べられていいよな! ちなみにこの列車には食堂車はありません。

●9時ちょうどくらいになって、ようやく出国審査。確認だきただけでも武警と辺防と税関職員、3種類の役人がいた。パスポートを取り上げられ、次に税関職員が荷物をチェック。ここでの荷物チェックはかなり厳しい。スーツケースをすべて開けられ、PCの中までくまなくチェック。日本人は珍しいのか、みんなで『地球の歩き方』を好奇心で眺めている。連れのリュックに村上春樹の新刊『多崎つくる~」を見つけて、村上春樹だと認識した模様。税関職員は意外とインテリだった? 

●武警から、(尋問というより興味本位で)いろいろ質問を受け「この鉄道に乗るのが目的だ」と告げたら、解せないといった表情をされた。荷物検査は無事、終わり、一行は隣のコンパートメントに移っていった。隣の荷物検査の様子を見てると、カザフ人と中国人だけだったのか、私たちほどチェックされていなかった。日本人だから嫌がらせのようにくまなくチェックされたのか、旅行者が珍しかったからそうされたのかは不明。

●阿拉山口駅に停車して2時間あまり。連れがどうしてもトイレに行きたいと言い出し、ダメ元で車掌に相談。男だと「我慢しろ!」と言われるんだろうが、女性にはそうもいかないらしく、ホームで警戒中の武警に相談。見た感じ20歳そこそこの武警は、無線で連絡をしたあと、連れを駅のトイレを使用することを許可。武警にぴったり付き添われ、連れは駅のトイレに向かった。連れによると、駅には小学生らしき集団がいて、新し目の待合室があったとのこと。

●中国の国際列車はなんで、頑なに停車中はトイレを使用不可にするんだろう。誰かが閉じこもることを阻止するための対策なのはわかるが、それにしても頑なすぎ。

2014/03/12

国際列車 ウルムチ-アルマトイ 2013MEMO PART1






●2013年5月1日現在の、K9795次、中国の烏魯木斉から、カザフスタンのアルマトイ行き列車の情報です。

●チケットは旅行会社を通して手配(ネットで検索した普通のシルクロード旅行系の会社)。一等(軟臥)1人片道2万円したが、出発日が決まってたので仕方ない。チケットの表には754元とあった。土曜日の深夜(日付が変わって実際は日曜)、00時21分発。

●テロ対策等でウルムチ駅のセキュリティが厳しいとか聞いてたので2時間前に駅に。しかし、最後の国内列車が23時40分頃に出たら、待合室はカザフ行き客のみ。10人くらいしかいない。駅の掃除軍団が一斉に床掃除をはじめ、おがくずを撒いて、モップで何度も往復。スーツケースにおがくずいっぱい付着。繁忙期でもない限り、発車30分前に駅到着でも間に合った。

●国内路線の執拗なアナウンスもなく、発車30分くらい前に、いきなり駅員が「アルマトイ!」と言って、やっとホームに。このときはすでに20人くらいになってたか。国内・国際含め、最終列車のため、構内やホームは誰もいない。薄暗く、静まり返ったホームに出て、乗車。4人乗りコンパートメントには連れと2人のみ。結局、アルマトイまでずっと個室状態だった。

●乗車と同時に車掌にパスポートを取られる。「日本人がいるよ!」と同僚たちと話してる。その後、シーツと布団カバーが配られ、発車。ウルムチから遠くなるにつれ、灯りが少なくなっていく。漆黒の大地を突き進むのであった。

2010/02/16

涼茶を作ってみた

小生、香港マカオ大陸華南へ行って、涼茶の屋台を発見するとついつい買ってしまう。とくに灼熱の華南だと10分もあるけば汗びっしょりヘトヘト。そこで屋台でこれを買って飲むと、一瞬だが体温がスーっと引いて、喉の渇きも癒える。恐ろしく苦いので好き嫌いはあると思うけど。


まぁ、こういうふうにヤカンが並んでるのがデフォです。

で、現地のスーパーに行くと、けっこう涼茶の茶葉というのが売っていて、こりゃ日本でも飲めると思って買っておいたのを作ってみました。真冬ですが、ちょうど風邪気味だったので、熱が下がると思いまして。



今回試しにつくったのがコレ↑。マカオで買ったものです。1袋で1杯分。5袋入りでたしか200円くらいだったかと。この「沙渓涼茶」は広東省中山市の名産品だそうです。


袋を開けると、茶葉というより、まんま木の根、木クズです。つくり方は簡単。ヤカンいっぱいの水と一緒に煮て、コップ一杯分になるまで煮詰めるだけ。



約1時間後、このようにできあがりました。中国で飲んだクソ苦い涼茶ではなく(あれはまた違う種類)、焦げた木の味がします。苦いのは苦い。はっきり言ってかなりクセがあるので、ダメな人はダメだと思う。ただ、気のせいか、熱は完全に下がり、体調も回復したように思う。プラシーボ? 今度また中国へ行ったら、違う種類の涼茶を買ってみよう。










2010/02/07

脱獄&アンロックiPhoneを海外で使うの巻 in 広州

中国・広州へ出張で行ったので、iPhoneに中国移動のプリペイドSIM 「神州行」を買って挿してみました。キオスクや携帯ショップやコンビニでもどこでも買えます。番号を選んだので、定価よりすこし高い70元。これで55元分の通話料込みです。




SIMカードを挿したら、「13800138000」に電話すれば開通。あとはネットの設定。APNは「cmnet」と「cmwap」の2種類あるとのことだったけど、「cmnet」のほうでいけました。再起動したら、見事「E」のマークが出てきました。パケット料金は、いろいろ料金体系があって結局、分からず。





渦中のグーグルもちゃんと表示されました。





日本で3Gの通信速度に慣れてるためか、EDGEとても遅く感じます。MAPSなんて使うとイライラが最高潮に達します。中国聯通のほうは3Gできるんだっけ? どこかで読んだ気が…。まぁ、今回はメールチェックとBB2C(笑)くらいしかしなかったので、いいか。ちなみに、地下鉄の車内でも電波がビンビンでした。東京メトロ、見習え。

とはいえ、広州はカフェとかチェーン系の飲食店のWIFI環境が発達してたので、意外とパケット通信の出番がなかった。北京・上海でも同じでしょう。地方都市行ったり、列車の旅をするときは便利かもしれません。

ところで、「神州行」って、「shen zhou hang」「shen zhou xing」のどっち? 常々気になってて、中国人に聞いても「どっちか分からない」とのこと。知ってる人、教えてください。